- お役立ち情報
「防炎シート」と「防火シート」の違いとは?不燃・難燃との違いも解説!
2025年2月14日
建設現場や工事現場では、安全対策としてさまざまなシートが使用されます。その中でも「防炎シート」と「防火シート」は、火災のリスクを軽減するために重要な役割を果たします。しかし、名前が似ているために違いが分かりにくいこともあります。本記事では、それぞれの特徴や用途、法規制について詳しく解説し、どのようなシーンで使うべきかを紹介します。
防炎シートとは?
防炎シートとは、火がついた場合でも燃え広がりにくい特殊な加工が施されたシートのことです。完全に燃えないわけではありませんが、火の拡大を抑制することで、火災のリスクを軽減します。主に建設現場や工事現場などで使用され、作業員の安全確保や周辺環境の保護を目的として設置されます。
防炎シートの特徴
防炎シートは、火がついても燃え広がりにくい特性を持つシートであり、主に建設現場や工場、倉庫、イベント会場などで使用されています。一般的なシートと異なり、防炎加工が施されており、火がついても燃え広がる速度が遅く、延焼しにくいという特徴があります。これは、火災の拡大を防ぐために非常に重要な性能です。
防炎シートには、基材としてポリエステルやガラス繊維が使われることが多く、それにPVC(ポリ塩化ビニル)などのコーティングを施すことで、防炎性を向上させています。この加工により、防水性・耐久性・柔軟性を兼ね備え、屋内外問わず幅広い用途で使用可能です。
また、防炎シートは耐候性にも優れており、屋外での使用に適したタイプは紫外線カット機能や防水加工が施されています。これにより、長期間の使用にも耐え、強風や雨による劣化を抑えることができます。
一方、屋内用途では防炎シートの軽量性が求められ、取り付けや取り外しが容易なタイプもあります。イベント会場で使用されるテントや仕切り幕などは、この軽量防炎シートが活用されています。
このように、防炎シートは「火災リスクの軽減」「耐久性の高さ」「柔軟性」「防水・防風性能」など、さまざまな利点を持っており、用途に応じた選択が可能です。
防炎シートの特徴
- 燃え広がりにくい: 防炎加工により、火がついても延焼を抑える。
- 高い耐久性: 風雨や紫外線にも強く、屋外でも長期間使用可能。
- 防水・防風性能: PVCコーティングにより水を弾き、強風の影響を受けにくい。
- 幅広い用途: 建設現場・工場・イベント会場・家庭用など、さまざまな場所で活躍。
防炎シートの主な用途
防炎シートは、火災のリスクを軽減するためにさまざまな場所で使用されています。特に、建設現場や工場など火気を扱う環境では、安全対策として欠かせません。また、イベント会場や屋内施設でも防炎基準を満たすシートの使用が義務付けられているケースがあります。以下に、主な用途を詳しく紹介します。
- 建設現場の足場シート・仮囲い・養生シート: 工事現場の安全確保や、作業スペースの区画整理、外部への飛散防止などを目的として使用されます。
- 工場・倉庫の火災対策: 可燃物を取り扱うエリアや仕切りとして設置され、火の燃え広がりを抑える役割を果たします。
- イベント会場・展示ブース: テント、バックパネル、ステージ装飾などで防炎シートが活用され、消防法の基準を満たすために使用されます。
- 店舗・商業施設の装飾幕: ショッピングモールや飲食店の装飾バナー、タペストリー、間仕切りなどに使用され、防炎基準を満たしたものが求められます。
- 家庭・DIY用途: キャンプ用品やカーテンなど、防炎性が求められる布製品の代用品として使用されることがあります。
- 学校・公共施設の防炎対策: 体育館の幕、仕切り用のカーテン、掲示用シートなど、防炎基準を満たした素材が推奨されます。
防炎シートと防炎規制
日本の消防法では、建築物やイベント会場などの防火安全基準の一環として、「防炎規制」が定められています。この規制は、火災発生時の延焼を防ぎ、人々が安全に避難できる環境を確保することを目的としています。
防炎シートは、消防法で定められた「防炎規制」の対象となる製品であり、一定の防炎性能を有することが求められます。「防炎物品」として扱われるには、消防庁が定める防炎性能基準をクリアする必要があり、試験ではシートの燃焼の広がりや炭化の状態などが評価されます。
また、不特定多数の人が出入りする施設や建築物では、カーテン・じゅうたん・工事用シート・劇場の舞台幕などに「防炎物品」の使用が義務付けられています。建設現場においても、足場シートや養生シートとして防炎物品を使用することが推奨されており、火災リスクを軽減する重要な役割を果たしています。
防炎シートの1類・2類の違い
防炎シートは、その強度や用途によって「1類」と「2類」に分けられます。どちらも防炎性能は同じですが、引張強度に違いがあります。
引張強度とは、JIS(日本工業規格)で定められた基準の一つで、シートがどの程度の力で引っ張られた際に破断するかを測る指標です。強度が高いほど、シートは外部からの力に耐えやすくなります。
1類の防炎シートは、引張強度が高く、シート単体で外部からの衝撃を受け止めることができます。そのため、足場シートや仮囲いなど、長期間設置される工事現場の用途に適しています。
2類の防炎シートは、1類と比較すると引張強度が低く、金網などを併用して使用することが前提とされています。主に短期間の仮設工事や、一時的な用途向けに選ばれることが多く、コスト面でのメリットもあります。
また、1類と2類の違いは引張強度だけでなく、「対貫通性」や「はとめ部分の強度」など、シートの耐久性を評価する要素によっても分類されています。それぞれの基準を満たしたものが、1類または2類の防炎シートとして認定されています。
防炎シートと防火シートの違い
防炎シートと防火シートは、どちらも火災対策に使用されますが、その役割や特性に大きな違いがあります。
防炎シートは、燃え広がるのを防ぐために作られたシートです。火がついてもすぐに燃え広がらないように難燃加工が施されています。そのため、建設現場の足場シートや仮囲い、イベント会場の幕やカーテンなど、人が多く集まる場所で使用されることが一般的です。ただし、直接火にさらされると燃えてしまうことがあるため、耐火性能が必要な作業には適していません。
一方、防火シートは、直接炎や高温に耐えられるように設計されたシートです。火花や熱を遮断する性能があり、特に溶接作業や耐火保護が必要な現場で使用されます。ガラス繊維やシリコンコーティングなどの耐熱性の高い素材が使用されており、長時間の高温環境下でも燃えにくいのが特徴です。
不燃シート・難燃シートとの違い
防炎シートや防火シートに加えて、「不燃シート」「難燃シート」という分類もあります。それぞれの特性を理解し、用途に応じた適切な選択をすることが重要です。
不燃シートは、一定時間炎にさらされても燃え抜けず、炎が貫通しない特性を持つシートです。建築基準法において「不燃材料」として認定されるものが該当し、火災時の燃焼や発煙を極力抑えるように設計されています。建築物の内装や耐火構造材として使用され、壁面の防火対策や煙突周りの耐熱材、ダクトの耐火被覆などに使われることがあります。
難燃シートは、火がつきにくい特性を持つ素材で作られており、一般的なシートに比べて燃え広がりにくいという特徴があります。一方、防炎シートは、燃えにくくするための加工が施されている点が異なります。
難燃シートは、防炎シートよりも高い耐火性能を持ちますが、不燃シートのように完全に燃焼を防げるわけではありません。家庭用や産業用途で広く使われ、家具のカバー、電化製品の外装、作業場の間仕切りシートなどに利用されることが多いです。コストと耐火性のバランスに優れている点が特徴です。
また、難燃シートの中には「スパッタシート」と呼ばれるものもあります。スパッタシートは、溶接作業中に発生する火花(スパッタ)や高温の金属片が飛散するのを防ぐために設計されたシートです。通常の難燃シートよりも高い耐熱性や耐火性能を持ち、高温環境での保護用途に適しています。特に溶接作業に特化したものと考えると分かりやすいでしょう。
防炎・防火・不燃・難燃 各シートの比較
以下の表では、それぞれのシートの特性や用途の違いを比較しています。用途に応じて適切なシートを選ぶことで、安全性を高めることができます。
項目 | 防炎シート | 防火シート | 不燃シート | 難燃シート |
---|---|---|---|---|
燃えにくさ | 火がついても燃え広がりにくいが、直接の炎には弱い | 直接炎や高温に耐えられる | 一定時間、燃え抜けず炎が貫通しない | 燃えにくいが、条件によっては燃焼する |
主な用途 | 建設現場の足場シート・仮囲い、イベント会場の幕・カーテン | 溶接作業、火花防止、耐火保護 | 建築物の耐火構造、ダクトの耐火被覆 | 家具のカバー、電化製品の外装、作業場の間仕切りシート |
素材の特性 | 燃えにくい加工が施された一般的な素材 | ガラス繊維やシリコンコーティングなどの耐熱素材 | 無機素材(ガラス、金属等)で構成 | 燃えにくい特性を持つ素材で作られる |
特記事項 | 防炎性能試験合格が必要 | JIS規格や耐火試験基準を満たす必要がある | 建築基準法の「不燃材料」として認定 | スパッタシートなど、用途によって特性が異なる |
当サイトで取り扱う防炎ターポリンについて
当サイトでは、建設現場などで広く使用されるターポリン製の現場シートを取り扱っています。ターポリンは耐久性が高く、印刷の発色も良いため、工事現場のPRシートとして最適な素材です。また、当社のターポリンはすべて防炎仕様となっており、消防法で定められた防炎性能基準を満たしています。
防炎を証明するための「防炎シール」が必要な場合は、商品と一緒に出荷することも可能です。(別途、料金100円(税別)がかかります。)標準仕様では防炎シールはついておりませんので、ご入用の際はスタッフまでお申し付けください
ターポリンの種類と特徴
当サイトでは以下3種類のターポリン素材を取り扱っています。お客様の用途や設置環境に応じてご選択ください。
- Ⅱ類ターポリン(防炎・防災):一般的な現場シート用として最もよく使用されるタイプ。価格が手頃で印刷の仕上がりも美しく、コストパフォーマンスに優れています。
- Ⅰ類ターポリン(防炎・防災):Ⅱ類ターポリンと比較して約3倍の強度を持つ高耐久タイプ。Ⅱ類ターポリンよりコストアップしますが、長期間使用したい場合に適しています。
- メッシュターポリン(防炎・防災):メッシュ状に穴が開いており、風の影響を受けにくい素材。通常ターポリンより軽量。大判サイズの場合や風の強い現場で使用する場合におすすめです。
安全対策や法規制への対応が求められる現場において、信頼できる防炎ターポリンシートをお探しの方は、ぜひ当社の製品をご検討ください。また、ターポリン素材については以下の記事も参考にしてください。
>>ターポリンとメッシュターポリンの違いとは?
>>【ターポリンとは?】Ⅰ類・Ⅱ類の違いも解説!
まとめ
防炎シートと防火シートは、どちらも火災対策として重要な役割を果たしますが、用途が異なります。防炎シートは燃え広がりを防ぐために加工されており、建設現場やイベント会場、商業施設などで使用されます。一方、防火シートは直接炎や高温に耐えられる特性があり、溶接作業や耐火保護を必要とする場面で活用されます。
また、不燃シートや難燃シートといった種類もあり、それぞれ防火性能が異なります。不燃シートは一定時間、炎が貫通しない特性を持ち、建築物の耐火構造に使用されます。難燃シートは燃えにくい素材で作られており、家具のカバーや作業場の間仕切りなどに利用されます。
当サイトでは、防炎性能を備えたターポリン製の現場シートを取り扱っています。Ⅱ類・Ⅰ類・メッシュターポリンの3種類があり、それぞれの用途に応じた選択が可能です。防炎タイプの現場シートをお探しの方は、ぜひ当社の製品をご検討ください。ご不明点がありましたら、お気軽にお問い合わせください。
>>お問い合わせはこちら