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5S運動とは?建設業界でも重要視される理由

2025年6月5日

5S運動とは、「整理(Seiri)」「整頓(Seiton)」「清掃(Seiso)」「清潔(Seiketsu)」「しつけ(Shitsuke)」の頭文字を取った、日本発祥の職場改善活動のことです。5S活動と呼ばれることもあります。もともとは製造業で発展した手法ですが、今では建設現場や工事現場でも広く取り入れられています。

建設業界では、人・物・工具・情報が常に動いています。だからこそ、5Sを意識した現場づくりが、安全性や生産性、そして職場の雰囲気に大きく影響するのです。

「5S」それぞれの意味と目的

では、5S運動を構成するそれぞれの要素が、現場でどのような意味を持ち、どんな目的で実践されているのかを一つひとつ詳しく見ていきましょう。建設・工事の現場に落とし込んだ視点で解説します。

5S運動

整理(Seiri)

「整理」とは、現場にあるモノを見直し、「必要なもの」と「不要なもの」を明確に区別し、不要なものを処分・排除することを意味します。建設現場では、使わなくなった資材や工具が放置されていると、つまずき・転倒の原因になったり、作業効率を著しく下げたりする要因となります。

定期的に整理を行うことで、限られた現場スペースを有効活用でき、安全で快適な作業環境づくりにつながります。また、不要な物が減ることで、探し物の時間削減や在庫管理の精度向上にもつながります。

整頓(Seiton)

「整頓」とは、必要なものをすぐ使える状態に配置・管理することです。単に物を置くのではなく、誰が見ても分かるように配置ルールを明確にし、「使ったら元の場所に戻す」という習慣を徹底することが大切です。

工具の定位置管理や色分け、ラベル表示など、視覚的な工夫を取り入れると、誰が使っても迷わない環境が整います。整頓された現場は、作業のムダが減り、事故防止にも直結します。

清掃(Seiso)

「清掃」は、現場や設備、工具を常にきれいな状態に保つために日常的に行う掃除のことです。単なる「掃除」ではなく、点検の要素も含まれており、汚れの除去だけでなく、故障や劣化の早期発見にも役立ちます。

建設現場では、粉じんや油汚れ、金属片などが事故やトラブルを引き起こすことがあります。毎日の清掃を通じて「気づく力」が養われ、安全意識や現場環境の改善につながります。

清潔(Seiketsu)

「清潔」とは、整理・整頓・清掃によって作り上げた状態を「維持・継続すること」を指します。最初に環境を整えても、それがすぐに乱れてしまっては意味がありません。ルールを明文化し、定期点検やチェックシートを活用して維持する仕組みづくりが求められます。

また、清潔な環境は、訪問者や顧客への印象向上にも直結します。「きれいな現場は、良い仕事をしている証拠」と思ってもらえるような信頼づくりの一歩となります。

しつけ(Shitsuke)

「しつけ(躾)」とは、職場内のルールやマナーを守る意識を習慣化し、全員が自発的に行動できるようにすることです。たとえば「使ったら戻す」「整理整頓を意識する」といった基本的なルールが、無理なく日常的に実践される職場づくりを目指します。

建設業のようにチームで作業する現場では、一人の行動が全体に影響を与えます。しつけは、現場全体の意識レベルを底上げし、チームワークや信頼関係の向上にもつながる非常に重要な要素です。

建設現場で「5S」が必要とされる理由

建設現場では、多種多様な資材や工具、人員が日々流動的に動いており、常に変化と隣り合わせの環境です。こうした状況下では、ちょっとした気の緩みや不注意が、大きな事故やトラブルにつながる可能性があります。そのため、現場全体を「整える」仕組みとして、5Sの導入は極めて重要です。

たとえば、整理整頓ができていない現場では、必要な工具を探す時間が増え、作業効率が下がるだけでなく、つまずきや転倒などの労災リスクも高まります。清掃が行き届いていなければ、資材の劣化や機器トラブルの早期発見が遅れ、工程に支障をきたすこともあるでしょう。

5Sを徹底することで、現場の安全性や作業の正確性が格段に向上し、ひいては納期遵守や品質向上といった成果にも直結します。また、職人同士のコミュニケーションが円滑になるなど、職場環境の改善にもつながります。

工事現場

さらに近年では、現場の「見た目」も重視されるようになっています。施主や近隣住民が現場を見た際に、整理整頓された清潔な現場は企業への信頼感を高め、企業イメージの向上にも貢献します。現場を通じて自社の姿勢をアピールする手段としても、5Sは非常に有効な取り組みです。

このように、建設現場において5S運動は単なる「片づけ活動」ではなく、安全・品質・生産性・信頼性を高めるための土台として機能しています。だからこそ、業種・規模を問わず、すべての工事現場で5Sの実践が求められているのです。

「5S」導入時のよくある課題と対策

5S運動を取り入れようとしても、「最初は頑張ったけど、いつの間にかやらなくなった」「一部の人しかやっていない」「どこから手をつけていいかわからない」など、さまざまな壁に直面することがあります。

どんなに効果的な取り組みでも、現場にうまく浸透しなければ意味がありません。ここでは、実際の建設・工事現場でも起こりがちな5S導入時の課題と、その対策をご紹介します。

  • ● 続かない/形骸化してしまう
    → 最初は意識されていても、時間が経つと「やっているつもり」になり、形式だけが残ってしまうケースがあります。これを防ぐには、定期的な5Sチェックの仕組みが有効です。たとえば、週1回の5S点検、朝礼での一言スローガン、掲示物の更新など、継続的な刺激を与えることがカギとなります。
  • ● 一部の人だけがやっている
    → 「現場監督だけが頑張っている」「新人だけが掃除している」といった状況では、長続きしません。5Sは全員で取り組む意識が不可欠です。「担当制」をやめてチームで当番制にする、朝礼で当日の5S担当を明確にするなど、役割の分担と共有がポイントです。
  • ● どこから手をつけてよいかわからない
    → 「全体を一気にキレイにしなければ」と考えるとハードルが高くなります。まずは目に見える範囲の一角から始めるのが効果的です。詰所の棚、工具ラックなど、小さなエリアを整理整頓して成功体験を積むことで、5Sの効果を実感しやすくなります。

これらの課題を乗り越えるには、完璧を目指すのではなく、現場に合わせた無理のないスタートが大切です。小さな一歩の積み重ねが、やがて大きな成果につながります。

5S運動を現場で根づかせるためのヒント

5S運動を「一時的なキャンペーン」で終わらせず、現場の日常にしっかりと根づかせるには、継続と仕組みが欠かせません。ここでは、実際の建設・工事現場で無理なく5Sを浸透させるための、具体的な工夫やヒントをご紹介します。

  • ● まずは「整理」から始める
    5つのSすべてを一度に完璧に導入しようとする必要はありません。最初は「いらないものを捨てる」「よく使う道具だけを残す」といった“整理”から着手し、小さな成功を積み重ねることで、次のステップへスムーズに進めます。
  • ● 続けられるルールを決める
    ルールは、シンプルで現場に合ったものであることが大切です。「工具は使用後すぐ戻す」「週末は必ず棚を拭く」といった行動につながる明確なルールを定めましょう。また、チェックシートや写真によるビフォー・アフターの記録も有効です。
  • ● 「掲示物」で視覚的に定着させる
    5S標語や手順書、作業区分のラベルなどを貼ることで、誰でもすぐに理解し行動できるようになります。視覚による情報共有は、言葉での伝達よりも早く、全員の意識をそろえる効果があります。
  • ● 朝礼やミーティングで共有する
    朝礼で「今週の整頓ポイント」などを共有したり、ミーティングで改善事例を発表したりすることで、現場全体に5Sの意識が自然と広がります。リーダーが率先して行動し、声かけを続けることが重要です。

こうした取り組みを地道に続けることで、5Sは単なるスローガンではなく、「現場文化」として定着していきます。強制ではなく、自発的な行動が生まれる環境づくりを目指しましょう。

5S運動に役立つサイン・掲示物の活用

5S運動を現場に定着させるには、「ルールの見える化」が非常に重要です。整理整頓のルール、工具の定位置、清掃のチェックポイントなど、言葉だけでなく目に見える形で共有することで、誰もが迷わず行動できる環境が整います。

そこで有効なのが、現場に掲示する「サイン」や「幕」といった視覚的なツールです。たとえば「整理・整頓・清掃を徹底しよう」といった標語を掲示するだけでも、日々の意識づけやチーム全体の意識統一に役立ちます。

また、現場を訪れる協力業者や顧客・施主に対しても、清潔で整然とした職場づくりを実践している印象を与えることができ、企業イメージの向上にもつながります。

こうした視覚ツールは、設置するだけで5S運動の後押しができる手軽なアイテムです。現場の雰囲気や広さ、掲示場所に応じて使い分けることで、効果的に活用できます。

5S運動を伝える!現場シート用デザインテンプレート紹介

ここからは、当サイトで販売している「5S運動」の要素を取り入れた現場シートデザインテンプレートをご紹介します。テンプレートそのまま印刷することもできますし、カラー変更などのカスタマイズも可能です。

掲示するだけで5S意識の浸透を後押しできる実用性の高いテンプレートとなっておりますので、ぜひ現場環境やチーム体制に応じてご活用ください。

5S運動デザインテンプレート|im299

アクセントとなる作業員のイラストとグリーン基調の配色で、「安全・快適・効率的な環境づくり」を訴求するデザインです。5つのS要素を縦並びでわかりやすく表現しています。

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5S運動デザインテンプレート|im300

黄色と赤の配色で遠目からの視認性も高く、親しみやすさのある作業員キャラクターのイラストが現場の堅さを和らげつつも5Sの重要性をしっかり伝えます。目立つ色をご希望の方に特におすすめのデザインです。

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5S運動デザインテンプレート|im301

「安全第一」の文字が入ったヘルメットを中央に配置した印象的なレイアウトのデザインです。5Sの各要素を花びらのように展開したデザインで、視覚的に理解しやすく表現しています。

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インパクトのあるカラー・フォントと、かわいらしいキャラクターを組み合わせたポップなデザインです。若年層の職人や見習いスタッフにも5S意識が浸透しやすく、現場の雰囲気を明るくしたい場合におすすめです。

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まとめ

5S運動は、建設・建築現場において「安全」「品質」「効率性」「職場環境の向上」といったあらゆる面に効果を発揮する、基本にして最強の現場改善メソッドです。整理・整頓・清掃・清潔・しつけという5つの要素は、一つひとつが単体で意味を持つだけでなく、組み合わせて実践することで相乗効果を生み出します。

特に建設現場のように人・モノ・情報が常に動き続ける現場では、5Sの有無が事故防止や納期遵守、チームの連携力にまで大きく影響します。「当たり前のことを当たり前にやる」ことの大切さを、5Sは改めて教えてくれるのです。

また、5S運動は一過性のキャンペーンではなく、「現場の文化」として継続的に育てていく取り組みです。小さな整理整頓から始めて、少しずつ現場に合った方法を模索していくことが、継続と定着への第一歩になります。

現場全体に5Sの意識を広げたいとお考えの方には、視覚的なアプローチが特に効果的です。掲示物やサインシートは、ルールの共有や習慣づけの補助として非常に有効であり、今回ご紹介したような5S関連のデザインテンプレートを活用すれば、誰でもすぐに「見える化」から始められます。

当サイトでは、5S運動や安全啓蒙をサポートする各種テンプレートを多数ご用意しております。デザインのカスタマイズや名入れにも対応可能ですので、現場環境や目的に応じて、ぜひご相談ください。

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